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【目次】
【1】 金本位制と米国のメディア
【2】 中国:世界最大の民間ゴールド市場と公的金保有量
【3】 中国人民元の通貨戦略とは


「米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長は11日、これまでの米国と世界の景気回復について「期待外れ」と述べた上で、潜在成長率の永久的な下方シフトを示唆する可能性があるとの見方を示した。」

(米・世界の景気回復は「期待外れ」=FRB副議長 8月11日 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/jp_fed/idJPKBN0GB0LH20140811

米国と世界経済の「より構造的、より長期的な」下方シフトの見通しのなかで、金融バブル崩壊懸念を抱える中国が、金本位制への移行でバブル崩壊を乗り越えるという見方があります。


    【1】 金本位制と米国のメディア

この8月、金本位制について少し詳しくニュースネット検索をしましたが、3年前の2011年に金本位制のことを調べて記事にした時よりも、米国のメディアで金本位制が取り上げられることが多くなってきたように感じます。

金本位制というと誤解が多いのですが、金本位制へ復帰の支持の議論では、現在の世界の経済規模は現存の金の保有量では対応できないため、古典的な金本位制へ復帰することは考えていません。現在の経済システムへ適応させるための様々な提案があるそうです。

ニューヨークタイムズはずっと以前から時々、金本位制に関係した記事を掲載しています。
7月24日の同紙には、現在の米国の膨大な財政赤字を抱える米国経済を背景に、中国が金本位制の採用へ進むことを警戒したコラム記事が掲載されました。この記事は『戦争とゴールド』の著書がある共和党議員のクワシ・クウォーテング氏の寄稿です。

A Chinese Gold Standard? (7/24-2014 ニューヨークタイムズ)
http://www.nytimes.com/2014/07/25/opinion/a-chinese-gold-standard-renminbi.html

翌週8月1日には米国のニュース・メディア「ニュースマックス」が、「中国かロシアが金本位制を復活させる前に、米国が復活させよ」と題した記事を載せています。これの元記事は同日付けの「フォーブス」誌で、ハートランド研究所(公共政策)のピーター・フェラーラ氏が書いています。

「経済学極めて優秀」とされハーバード大学を卒業したフェラーラ氏(1955年生れ)は、レーガン政権とブッシュ政権(父の方)で政策スタッフとして働きました。

Heartland Institute's Peter Ferrara: Restore Gold Standard Before China or Russia Does (8/01-2014 Newsmax)
http://www.newsmax.com/Finance/gold-China-Russia-Ferrara/2014/08/01/id/586319/

Why the Gold Standard Is The Foundation For Restoring Booming Economic Growth (8/01-2014 フォーブス)
http://www.forbes.com/sites/peterferrara/2014/08/01/why-the-gold-standard-is-the-foundation-for-restoring-booming-economic-growth/


   【2】 中国:世界最大の民間ゴールド市場と公的金保有量

中国がゴールドを掻き集めているという話は聞いていたので、久しぶりにワールド・ゴールド・カウンシルのウェブサイトを覗いてみました。驚きました。このサイトはゴールドについての情報を提供する著名なサイトです。トップページには“China's gold market”のコーナーが大きく表示されています。このコーナーにあるレポート“China's gold market: progress and prospects”は注目です。このレポートには日本語の翻訳が用意されています。

中国の金市場:その歩みと展望(2014年4月 ワールド・ゴールド・カウンシル)
http://www.gold.org/supply-and-demand/china-report
(※ リンク先ページの下の方で、PDFファイルが無料ダウンロード可)

このレポートは詳細かつ非常に長いものですが、下記はその一部の抜粋です。


2013年の世界の民間金需要に占める中国の割合は26%に及ぶ。
<金価格の値下がりを受けて>、中国の消費者と投資家による宝飾品と金地金の購買量は合わせて259トン増加した。今日、中国の宝飾品市場と金地金現物市場はいずれも<世界最大>である。(PDF 3ページ)

中国で金地金への投資が解禁されたのは2004年。その年の金地金の需要はわずか10トンであったが、それが2013年には397トンにまで急増した。この驚異的な増加の主な背景には、中国では投資手段が限られているという事情がある。
ワールド・ゴールド・カウンシルの中期見通しは非常にポジティブで、中国の金地金の需要は2017年までに500トンに近づくと予測している。但し、2014年については調整の年になると見ている。(PDF 31ページ)



これは民間部門についてですが、公的部門では中国はIMFへ金保有量の届け出をしていないと専門家の多くが見ており、2009年以来届け出は1054トンで変わっていません。このレポートでは、いくつかのデータから中国は公的な金保有量を増やしていると指摘しています。

ハドソン研究所の首席研究員である日高義樹氏は最新の著作レポートで(※注-1)、金融バブル崩壊懸念を抱える中国が、金本位制への移行でバブル崩壊を乗り越えるという見方をしています。

日高氏によると、金についての情報は政府や公式機関の統計としては表れにくく、その情報はすべてあやふやであると言います。大雑把な推定としては、米国と欧州に10万トンのゴールドが貯蔵されていると言われているそうですが、そのうちの70%、すなわち7万トンのゴールドをすでに中国が集め終わっているといいます。これは消息筋の話であるといいます。

ですから、よくニュース記事で引用されるワールド・ゴールド・カウンシルの統計は、世界各国の公的金保有量のごく一部分に過ぎないということになります。

■注-1:『「オバマの嘘」を知らない日本人』 (日高義樹著 2014.6.21刊)

◆{次ページへ:【後編】 中国はなぜゴールドの保有量を増やしているのか
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/38962868.html

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