国際情勢と経済戦略

戦略的立場を方針としています。世界一流の専門家たちの分析は・・英文情報で国際情勢・軍事と世界・日本経済の解説記事を紹介します。
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2008年08月

ロシアのグルジア侵攻は、なぜこの8月に行われたのか―12月のNATO外相会議―

(阿修羅「戦争」BBS.8月20日の投稿から)


今年4月にグルジア、ウクライナのNATOへの加盟問題が話し合われた。ロシアからの天然ガスの供給を懸念する独仏などが、時期尚早などと反対したが「将来の加盟」では合意、12月のNATO外相会議で再度検討される予定になっていた。

グルジアが先制攻撃で仕掛けたというが、今月8月以前のニュースを追ってみると、南オセチアに駐留していたロシア軍は、かなりの挑発行動をこの数ヶ月とっている。
英エコノミスト誌の解説記事では、そこら辺を詳細に触れているそうだ。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/171279/

グルジア軍侵攻後のロシア軍のあの起動力は、まさに常に臨戦態勢が取られていた上での行動だったと察せられる。

シェワルナゼは、「4月にグルジアとウクライナのNATO加盟を見送ったのは重大な誤り。加盟を認めていれば今回の紛争は避けられた可能性がある」と指摘し、ライス米長官は、ロシアのグルジア侵攻の戦略目的は、グルジアのNATO加盟阻止であり、グルジアの社会基盤や軍事力を破壊することにある事を指摘した。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/170692/
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080819/amr0808192323005-n1.htm
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/171051

8月12日に日経が、グルジアの欧州連合(EU)大使が「ロシアはNATO(東方)拡大の阻止を最終的な目標としている」と強調した事を取り上げ、今回の軍事衝突の底流にNATOの東方拡大問題があるとの見方を取り上げている。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080812AT2M1200512082008.html

残り任期4ヶ月、米大統領選挙まで2ヶ月余りのブッシュ政権は、オバマか、マケインかが決まらぬうちに、軍事リスクを伴う軍事行動は組みにくい。
加えて、再度協議されるグルジアの加盟問題を扱う12月のNATO外相会議まであと3ヶ月、ロシアの軍事侵攻は、グルジアの加盟阻止へ向けて絶好のタイミングで行われたと見られる。

シェワルナゼが指摘するように、4月にNATOがグルジアとウクライナの加盟を認めていれば、今回の8月のロシアの軍事行動はNATOとの「自動的開戦」を招くため、NATOの抑止力が働いてロシアの行動を阻止できただろう。

「原油高騰」で共謀した、ブッシュ政権とゴールドマン・サックス

(以下は、阿修羅.「国家破産」BBS.8月4日の投稿に加筆したもの)
 http://www.asyura2.com/08/hasan57/msg/709.html


国際情勢アナリストの浜田和幸氏が7月31日の公開記事で、ブッシュ政権開始以来の原油高騰の真犯人は、意図的に「中東の不安定化」政策を実行した同政権であると述べている。
http://moneyzine.jp/article/detail/79216

この仮説自体は目新しいものではないが、浜田氏は、メディアではヘッジファンドなどの投機が原油高騰の主要因とされているが、ブッシュ政権はヘッジファンドを悪役に仕立て上げる事に(見事に)成功していると述べている。

浜田氏は、「イランに対する経済制裁が解除されイラクにおける治安が完全に回復すれば、その時点で日産500万バレルの原油が国際市場に出回るようになり、原油価格は安定化に向かうことは間違いないだろう」と述べている。
この日産500万バレルは、現時点でのイラクの不安定な情勢とイランへの経済制裁下での数字で、アメリカの中東政策の変更により「中東の安定状態」が生まれれば、イラクとイランの市場への原油供給量は、何倍にも跳ね上がるだろう。

「私は、アメリカ軍のイラク占領後、テロ・ゲリラ戦が拡大し始めた早い時期(開戦前のアメリカの石油企業が目論んでいた青写真の計算違いが判明した時点で)、ホワイトハウスは、イラク情勢の混乱やイランの核開発問題を利用して、中東の中心に位置するイラクの混乱を長期化させるように、計画を切り替えたのではないかと見ている。
 アメリカの軍産複合体の圧力が、ベトナム戦争の長期化を要求したように、アメリカの『石油大統領』は、イラク情勢混乱を長期化する計画によって、原油価格を高騰させ、石油企業の要請に応えているのではないかと見ている。イラク戦争の目的は、あくまでも『石油』だ。」

(「原油高騰と『イラク情勢混乱計画』―中東の混乱の長期化を狙うアメリカ―」 2004年10月 
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/iraq.2.html

ところが、「中東の安定状態」などは、石油メジャーにとって愚策極まりないものだ。
ブッシュ政権の終りになり、次期アメリカ大統領選挙が近づくにつれ、イラクでの治安は(タイムリーに)改善し始める。

一方で、アメリカの石油メジャーの支配が強いとされる軍事産業は、この夏イラクにミサイルと戦車、C130輸送機などの軍用装備品を、合計107億ドル(約1兆1500億円)で売却する商談が決まり、ロッキード・マーチン、ボーイング、レイセオンなどにボーナスがおりている。(日経 8月3日)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080803AT2M0201N03082008.html

米ゴールドマン・サックスが、投機筋による原油高騰の仕掛け人であるという見方があるが、アメリカ政界との結びつきが深いゴールドマン・サックスが、原油高騰という目的を課せられたブッシュ政権と共謀としたとすれば、これだけの歴史的な原油高騰を現出したという点で、まさに芸術的な仕業だ。
下記に、投機筋による原油高騰は、ゴールドマン・サックスによる計画的なものであるとする記事2つを挙げる。

石油高騰の謎 (’08年5月14日)
http://tanakanews.com/080514oil.htm

原油価格高騰の謎を解く【中編】 (’08年7月18日)
http://keyboo.at.webry.info/200807/article_4.html

世界における基軸通貨の最も重要な基礎条件とは、「軍事力」「エネルギー支配力」「食糧支配力」「通貨がどこでも使えるか」の4つだとされるが、アメリカの経済謀略で、大幅なドル安を招く原油高騰を実行しても、ドルの基軸通貨の地位は堅持されるという読みの根拠として、ユーロに基軸通貨としての「基礎条件」が全くない事が挙げられる。

更に、アメリカ最大の切り札として、21世紀最大の戦略物資である食糧の供給体制を独占しているという事実は、来たるべきBEF時代(バイオ・石油・食糧)におけるアメリカの一人勝ちを物語る。軍事力の増強を図る人口13億の、食糧輸入国の中国など、アメリカの食糧戦略いかんによって、国内を分裂させるも政権を温存させるも、アメリカの手中にある。

「21世紀を支配する穀物メジャー『カーギル』 ―アメリカの最大の切り札―」(2008年8月3日)
http://otd9.jbbs.livedoor.jp/911044/bbs_plain?base=360&range=1



■関連リンク

「ゴールドマン・サックスは、アメリカ経済支配層の政治的目的と共謀して、サブプライム危機を計画実行したのではないか」(2008年3月17日)
 http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/685.html

「中国株の大暴落で中国共産党政権は転覆されるか―『有事に強いドル』は有事を計画的・意図的に作り上げる―」(2008年3月14日)
 http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/658.html

原油下落と 『ドル』 上昇のシュミレーション(2008年3月22日)
 http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/807.html

21世紀を支配する穀物メジャー「カーギル」 ―アメリカ最大の切り札―

(阿修羅「国家破産」BBS.8月1日投稿から)


石油市場においては、サウジのアラコム、ロシアのガスプロム、中国のCNPCなどの「新セブンシスターズ」国有企業7社の台頭で、現在、かつての米欧4大石油メジャーは、世界の石油・ガス生産量の約10%と埋蔵量の3%しか所有していない。
「新セブンシスターズ」は、世界の石油・ガス生産量のほぼ3分の1、それに石油・ガス埋蔵量の3分の1以上を占めている。(ファイナンシャル・タイムズ紙 '07年3月11日)

しかしBP、ロイヤル・ダッチ・シェル、シェブロンなどの石油メジャーは、BEF時代(バイオ・石油・食糧)を睨み、穀物メジャーと連携し、出資するなどの動きを見せ始めた。(『SAPIO』 '08年6月25日号)

世界の穀物メジャーは、現在2大寡占となっているそうだが、一方のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)に大きな差をつける世界最大の穀物メジャー、「カーギル」については、今後日本でも、ネットなどのパワーで考究すべきだ。

「カーギル」の世界における食糧の需要・供給両面での強大な支配力は絶大だ。
既に1960年代以降、食生活を肉食化された日本を一例として、世界人口の40%を占める中国とインドの肉食化、更に新興国の肉食化を計る「カーギル」は、現在の食糧価格の高騰こそ事業目的としている。

以下の引用抜粋記事は、カーギルに関するほんの一端だが、概略を述べている。

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世界の穀物市場を支配する
穀物メジャー『カーギル』の謎

        7月24日 R25.jp

http://r25.jp/magazine/ranking_review/10005000/1112008072404.html


現在の原油高と並んで世界的な問題となっているのが穀物高だ。だが、その一方で莫大な収益を得ている業界がある。世界の穀物市場に影響力を持つ専門商社・穀物メジャーだ。なかでもダントツの規模で知られるのが、アメリカの『カーギル』。アメリカでは口に入るもののほとんどに同社が関わっており、日本の食にもその影響は大きい。カーギルとは、一体どんな会社なのか?一橋総合研究所食糧部会部会長、茅野信行氏に取材してみた。

「世界最大の穀物生産国がアメリカ。そのアメリカの農家から穀物を買い付け、穀物を必要としている世界中の国々に届けているのが穀物メジャーの雄・カーギルです。穀物商社は規模が大きいほど流通の合理化ができる業種。カーギルは1865年創業という古い会社ですから、長い年月にわたって、合理化を徹底的に推し進めた結果、今日では、世界の穀物シェアの4割を握るほどの巨大な企業です」

カーギルは66カ国に15万人以上の従業員を持ち、年間売上高は9兆円にも上る。アメリカでは政治的影響力も強く、カーギル出身者が歴代政権の高官を務めていた。また、カーギルは自前で人工衛星を打ち上げ、穀物生産地の情報収集をしていることでも知られている。にもかかわらず、いまだ株式非公開の家族経営を行っており、実態はあまり公開されていない。そのためか、最近の穀物価格高騰はカーギルの思惑も絡んでいるのではないかといった噂もあるが…。

<以下省略>
張 良

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執筆予定 2019.8.20 記
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