国際情勢と経済戦略

戦略的立場を方針としています。世界一流の専門家たちの分析は・・英文情報で国際情勢・軍事と世界・日本経済の解説記事を紹介します。
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2008年07月

オバマの得票マシーンとなっている共和党のライス外交

ジョン・ボルトン(保守強硬派)の話によれば、ブッシュから大幅に外交と軍事問題を一任されたライスは、米国務省官僚に取り込まれてしまったという。

独裁者でも口説き落とせると信じる、救いがたい理想主義者
念ずれば世界の危機は去ると信じている、「夢見るリベラリスト」

                   (ニューズウィーク日本版 7月30日号)

アメリカ保守派のコラムニストやブロガーは、オバマをこのように揶揄しているようだが、軍師不在となってしまったブッシュ政権は、ライスに外交を一任する事で、皮肉にもライバル民主党の候補オバマの支持率上昇を、根底から支援する形になっている。

共和党マケイン候補の出番は、世界の不安定化によりアメリカが損害を被る事がイメージされる状況により成り立つ。

しかし、同じ共和党の落ちぶれ政権で外交を一任されてやっているライスは、北朝鮮に続いてイランでも融和政策を始めた。

イランの核開発問題 米の妥協外交、「悪の枢軸」に足元見られる(7月22日 産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080722-00000970-san-int

仮にアメリカ国務省(リベラル)のエリートが、ライスが作る国際情勢の融和イメージを、マケイン落としの有効な手段として計画的に使っている場合、無知な大衆扇動者オバマは、かなりの高い確率で次期アメリカ大統領に就任する事になると思う。

イランの報復戦争とイスラモファシズムの現代

(阿修羅「戦争」BBS.6月22日の投稿から)
 http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/219.html


クリスチャン・サイエンスモニターは、6月20日付けスコット・ピーターソン氏の記事で、6月に入り懸念されているイスラエルによるイランの核施設空爆を踏まえ、仮にイスラエルではなく、アメリカがその空爆・攻撃を行った際の最悪の予測記事を載せ、警告をしている。

How Iran would retaliate if it comes to war
http://www.csmonitor.com/2008/0620/p07s04-wome.html

イランの報復と題するこの予測記事は、(イスラエルではなく)アメリカがイラン攻撃を行った場合、IRGC(イスラム革命防衛隊)を含む中東地域では最大規模の54万の兵士を持つイランが、イラン過激派を更に含めて、「報復戦争」として非対称戦(=テロ戦争)を世界規模で展開するという要旨を述べている。

ピーターソン氏は、軍事アナリストが、アメリカによるイラン攻撃がアメリカを始めとする全世界にとって、危険な結果を招くという見方をしている事を最初に述べた上で、スウェーデン国防大学(ストックホルム)の非対称戦・研究センターのマグナス・ランストープ氏の分析を挙げている。ランストープ氏によれば、イランの反応とその報復攻撃は、過去のイランの事例から見て世界規模になり、アルカイダの脅威の予測を超えるものなるという。

また、ワシントンの中東問題のアナリスト、Alex Vatanka氏は、昨年秋に任命されたIRGC(イスラム革命防衛隊)の司令官は非対称戦の天才である事を指摘した上で、イラン自身は、第1ラウンドの陸海空軍の通常戦争でアメリカに勝てるとは考えておらず、”other assets in the toolbox”=別の戦争手段(非対称戦・テロ戦争)で、第2ラウンドの戦争を戦うつもりだという。

この記事によれば、イランの最高指導者ハネメイは2006年に、アメリカがイラン攻撃を行った場合には、世界中の広範囲に及ぶアメリカ人に危害が及ぶ事を警告している。
ヒズボラと連携するイランの非対称・テロ戦がいかに強力なものかを、私達はイラク戦争を通じて、中東情勢やアフガニスタンで見てきている。

イスラエルが核施設空爆に動けば、石油埋蔵地帯である周辺中東諸国を巻き込んだ、中東の大混乱状態が勃発するから、アメリカはアメリカ軍を現在以上の規模で派遣し、イスラエルと行動を共にする事になるだろう。

アメリカ保守系論壇の重鎮である、ノーマン・ポドレツ(Norman Podhoretz)が『SAPIO』2007年7月11日号への寄稿で、「9.11で幕を開けた第3次世界大戦の敵の正体は、イスラモファシズムだ」と題する記事を載せている。
彼によると、「イスラモファシズム」とは、21世紀初頭に現れた、イスラム原理主義とファシズムが結びついた暴力的運動を意味し、具体的には、アルカイダ、ハマス、イランのアフマディネジャド政権を指す。

ポドレツ氏は、将来的にサウジアラビア、シリア、エジプトも敵となりうる可能性があるとし、自由主義社会はイスラモファシズムとの戦争に30年から40年を必要とするだろうと述べている。
ここでのキーポイントの一つは、共産党独裁国家、中国が、アフリカ地域をも含めたイスラモファシズム圏の独裁国家を、兵器輸出と核兵器開発、経済協力などの面で支援しているという事だ。

中国、イランやテロ組織に兵器輸出 米政府高官、議会公聴会で証言(5月21日 「イザ!」)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/146773/


参考文献:
The Case for Bombing Iran(June 14, 2007 Norman Podhoretz)
http://www.hudson.org/index.cfm?fuseaction=publication_details&id=4963

ライスと米国務省の「ゼリコー構想」―テロ支援国家指定解除と「朝鮮半島統一」―

(阿修羅.戦争BBS.7月11日投稿から)
 http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/379.html


「韓半島‘終戦宣言’デザイナー、フィリップ・ゼリコー氏」

   中央日報 2007年10月6日
   http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91726&servcode=500§code=500

(コメント)コンドリーザ・ライスは、朝鮮半島情勢について「アジア版ヤルタ会談」の発想を胸中に暖めていたというから、意外だった。ライスは、在野時代から旧ソ連や東欧に関する造詣が深かったというから、冷戦終結的なシナリオを立てているのだろう。

それと呼応するが、朝鮮戦争休戦以来(1953年以来)、歴代のアメリカ政府には「朝鮮半島統一」の構想や政策が多く見られる。

2007年8月15日発行の「統一日報」の特集記事、「ブッシュ政権の政策転換」にも、ライスが抱く「ゼリコー構想」の経緯が述べられている。

「ブッシュ政権の政策転換」  真田一輝
 http://www.onekoreanews.net/past/2007/200708/news-tokusyu02_070815.cfm

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「韓半島‘終戦宣言’デザイナー、フィリップ・ゼリコー氏」

   中央日報 2007年10月6日
   http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91726&servcode=500§code=500


2007年10月4日の南北首脳宣言では「韓半島終戦宣言」がハイライトだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長、ブッシュ米大統領が会って地球上最後の冷戦地帯の終焉を知らせるイベントを推進するという内容だ。終戦宣言はブッシュ大統領が提案し、盧大統領が伝え、金委員長が受け入れる流れで推進されている。

東アジアの安保秩序を根本的に変える終戦宣言のデザイナーはフィリップ・ゼリコー前米国務省顧問だ。 ロースクール出身の弁護士であり政治学博士でもあるゼリコー氏は法廷ではなく外交の道を選択した。

国務省に勤務していた昨年春、いわゆる‘ゼリコー報告書’をブッシュ大統領に提出した。 北朝鮮の核問題解決のための6カ国協議が膠着状態に陥っていた時期だ。 ゼリコー報告書の核心は「韓半島停戦協定を平和協定に変える果敢な接近法で、北核問題解決にとどまらず、一気に北東アジア冷戦構造を解体しよう」というものだ。 この報告書はブッシュ大統領の感受性を刺激した。

ゼリコー構想が完成される過程では韓国政府も積極的に働きかけたという。 匿名を求めた韓国の外交当局者は5日、「ゼリコー氏の事務室に政府高官を派遣し、平和体制構想について意見交換した」とし「一方的に話を聞くのではなく、積極的に韓国の立場を反映させるために努力した」と説明した。

当初ホワイトハウス・国務省のネオコン(新保守主義者)らは「夢想レベルの話」だとしてゼリコー構想を一蹴した。 しかし「ドイツ統一とヨーロッパの変換」という共著を出した学問的同志であり17年間の友人であるコンドリーザ・ライス国務長官が積極的に後押しした。 ライス長官に対するブッシュ大統領の信頼も作用した。

ライス長官とゼリコー氏の変換外交は、‘ムチ’と‘ニンジン’を絶妙に配合する現実主義的な手段と積極的努力で状況を変えていく外交方法論をいう。理念過剰と‘ムチ’の力を過信するネオコンとは異なる方式だ。

ブッシュ大統領が平和体制構想に初めて言及したのは06年11月にベトナム・ハノイで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と伝えられている。 しかし実際は同年4月のホワイトハウスで行われた米中首脳会談にさかのぼる。 ブッシュ大統領は中国の胡錦濤・国家主席に対し、「平和協定の締結も検討できるということを金委員長に伝えてほしい」と要請した。 胡主席は直ちに唐家セン国務委員を平壌(ピョンヤン)に送った。 しかし金委員長は「米国がマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)北朝鮮口座凍結問題など対北朝鮮敵視政策をやめるのが先だ」とし、消極的な立場を見せたという。

こうした状況でブッシュ政権は「核放棄なら平和体制約束」という‘ニンジン’を提示した。 ゼリコー報告書に基づくものだ。 結局、北京6カ国協議で2・13合意を引き出し、‘ゼリコー構想’は急浮上した。 9月にシドニーで開かれた盧武鉉−ブッシュ首脳会談は、10月4日の盧武鉉−金正日合意の前奏曲だった。

‘盧−金’合意は、ゼリコー氏のデザインに沿ったブッシュ大統領の後押しによって実現した可能性も排除できない。金委員長は‘悪いことに補償はない’という攻撃には屈服しないが、‘良い行動に大きな補償がある’というゼリコー式変換外交には反応しているように見えるからだ。 ただ盧大統領の任期が残り5カ月余と短く、盧−金−ブッシュが一堂に会するのは物理的に限界がある。


◆フィリップ・ゼリコー(Philip D Zelikow、53)=ヨーロッパ政治を専攻した国際政治学者で、父のジョージ・ブッシュ政権時代から米国務省とホワイトハウス国家安保会議(NSC)で勤務した。 1989年にNSCの同僚として初めて会ったコンドリーザ・ライス国務長官により国務省顧問に抜てきされた。 米同時テロの検証、中東戦略の樹立など国務省の戦略家として活躍し、昨年12月にバージニア大の教授になった。


イェ栄俊(イェ・ヨンジュン)記者
2007.10.06 10:25:44

オバマ勝利の直後、イスラエルのイラン攻撃は開始される

(阿修羅.戦争BBS.7月13日投稿から)
 http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/414.html


英デイリー・テレグラフ紙(6月24日付)が、イスラエルのイラン攻撃が、アメリカ大統領選挙が行われる11月4日から来年1月20日の新大統領就任までの間に行われるであろうとの予測を、ジョン・ボルトン(保守強硬派)からのインタビューとして掲載した。ボルトンの予測記事は、「フォーリン・アフェアーズ」でも短く取り上げられている。

Israel 'will attack Iran' before new US president sworn in, John Bolton predicts
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/israel/2182070/Israel-%27will-attack-Iran%27-before-new-US-president-sworn-in%2C-John-Bolton-predicts.html

http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/webex/0807_israel_the_west_and_nuclear_iran.htm

ボルトンでなくとも、イスラエル当局が、イラン攻撃をアメリカ大統領選挙後の日程を睨んで計画していることは推測されるが、著名なネオコンであるウィリアム・クリストルの予測を、ボルトンは取り上げている。

W.クリストルは、大統領選挙でのオバマの勝利は、ブッシュにイラン攻撃を促す事になるだろうと述べ、反対に、もしブッシュが次期大統領になるのはマケインだと考えているとすれば、マケインにイランの核開発問題を任せるのが適切だと考えていると述べている。

William Kristol, a prominent neo-conservative, told Fox News on Sunday that an Obama victory could prompt Mr Bush to launch attacks against Iran. "If the president thought John McCain was going to be the next president, he would think it more appropriate to let the next president make that decision than do it on his way out," he said.

ボルトンの予測記事は、現時点で勝算の高いオバマが勝つことを想定し、W.クリストルの予測に時間的日程を組み込んだものだ。イスラエルによるイラン攻撃は、大統領選挙が行われる11月4日から来年1月20日の新大統領就任までの間と彼は述べるが、イスラエルがブッシュ政権の起動力を使うためには、オバマ当選直後でも遅いくらいだ。

ボルトンは、オバマの大統領選挙での勝利は、彼がとる外交政策によって、イスラエルの軍事行動は阻害を受けるとイスラエル人は警戒していると述べている。
更にマケインのイラン政策は、ブッシュ政権のそれよりかなり現実的であることを述べ、マケインのイラン政策をボルトンは支持している。

また、イスラエルがイラン攻撃を急ぐ理由に、ロシアの防空ミサイル・システムの供給により、イランが核施設などへの防衛力を増強しているぺースが速まっている事を挙げている。

2005年11月にイランとロシアで締結した協定に基づき供給が始まった、ロシアの防空ミサイル・システムのイランへの供給は、この先ますます、イスラエルの軍事力を限定的なものにする。そこで同盟国アメリカの参戦が不可欠なのだが、ロシアとアメリカの防空ミサイル・システムの戦いは、実戦レベルでのテストは行われたことはない。

但し、ワシントンの日高義樹氏の2,3年前の著作に寄れば、アメリカの通信兵器は、米中戦争が仮に行われた場合、極初期段階で中国軍の通信ミサイル・システムなどを完全にシステム・ダウンさせるという。

ライス米国務長官はイランに対し、「われわれは同盟国を防衛する義務を負っており、それを遂行する意志がある」、「われわれは米国や同盟国の権益を守る」と警告している。(7月10日 時事通信)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080710-00000100-jij-int


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Israel 'will attack Iran' before new US president sworn in, John Bolton predicts

   By Toby Harnden in Washington
   Last Updated: 9:50AM BST 24/06/2008

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/israel/2182070/Israel-%27will-attack-Iran%27-before-new-US-president-sworn-in%2C-John-Bolton-predicts.html

John Bolton, the former American ambassador to the United Nations, has predicted that Israel could attack Iran after the November presidential election but before George W Bush's successor is sworn in.

<以下本文省略>
張 良

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執筆予定 2019.8.20 記
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